仏事について

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十三仏専の由来

十三仏専の由来

人の死後の葬送は、故人への愛惜・追慕の念に加えて、追善の供養によって菩提への増進を祈ることにある。原始宗教の葬送の型は、今日のわれわれの常識とは全く相反するようなものをも含んでいるが、仏教においては死後の仏事を尊重しました。その起源はおそらく中有の思想から発するものでしょう。

人は死後、ニ週間目以後の七日ごとのある日、少なくと も七週間目(七七日・しちしちにち)までに新たな生命に宿って、この世に輸廻するというのが中有の考え方です。

このように、インドにおいてすでに初七日から七七日までの回向(えこう)の起源があります。ところが、中国において、それに百ヵ日・一周忌・三年忌がつけ加えられ、仏事の回数は十回となったのです。この十仏事が成立する過程で、『十王経』が編述されたものと推定されています。

『十王経』は閻魔王が受記成仏したことに基づいて、十仏事の一つ一つを司る十王が、死者の生前の功罪を調べることを述べています。

この十王信仰は日本においても十五世紀のころから各地に浸透してゆき、十王堂・閣魔堂・地蔵堂などが建立されました。

この十三仏事の普及とともに、十三仏信仰がたかまり、十三仏曼荼羅・十三部経、十三卒塔婆、十三仏塚、十三仏堂などが流行しました。 この十三仏信仰は密教思想とのかかわりが深いと考えられており、宗派によって深く影響を受けている宗派と、十三仏事は行っても十三仏信仰はない宗派(例えぼ、日蓮宗のように)があります。