葬儀について

← Q&Aトップへ  
← 戻る  
仏前に樒を供える理由

仏前に樒を供えるの理由

樒はモクレン科の常緑樹で、春になると緑がかった黄白色の花が咲きます。葉や木皮など一種の香りがあり、その実や葉は有毒です。有毒植物の樒を死者や墓前に供えおくと、悪魔や動物などが死者を汚したり、食べたり、その霊魂をおびやかしに近よったりできにくいとされており、その香りは悪霊をはらい、死臭を清めたりするわけです。

日本では昔から神霊には榊というツバキ科の常緑樹を供え、神木として祭りに用いたのですが、死者の霊を守るためには、とげのある柊の枝や、有毒な木の生枝、鍬などの刃物などをかざったものと見られます。

仏教が盛んとなり、その儀礼に日本在来の風俗習慣や神・仏が習合して、香木として、また悪鬼を防ぐ有毒な常緑樹のシキミの木が仏前や死者のお棺や、墓前に供えられるようになりました。