寺院について

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寺とは
とは

今日の寺院とはそこに居住する僧侶がもっぱら仏道の自己研究や布教強化のための修行場、あるいは儀式場として用いる場所および建物を指します。しかしもともとの意味は、中国の漢時代に外国の使臣を泊める役所あるいは官庁を指し、仏教僧がインドから来朝した時に鴻臚(こうろ)寺という役所に泊まったところから次第に僧侶の住居を寺というようになりました。

後漢の明帝の時にたてられた白馬(はくば)寺が、最初の仏教寺院であるといわれています。わが国で初めての仏教寺院は、百済の献上した仏像を蘇我稲目が大和向原(むくはら)の家に祀って寺としたものが最初だといいます。寺をテラと呼ぶのは、バーリ語(インド古語)のテーラ、韓国語のチョル(礼拝所)から転訛したとの説があります。

院とは、回廊とか垣根をめぐらした園の意味で、唐時代に観音院などのように寺名に用い、のちには寺を総号とし院を寺中の別舎とし、それらを総称して寺院と呼びました。

山とは、中国ではそもそも寺院を山中にたてたところから、その所在地の山名をつけるようになり、わが国では鎌倉時代以後に、平地にたてられた寺院であっても山(さん)号をつけ、その門を山門と呼んでいます。