僧侶について

← Q&Aトップへ  
← 戻る  
祈とうの由来
きとうの由来

 仏や菩薩の守護を仰いで、災難を除き、幸福を得たいと祈るのをきとう・祈願・祈念といいます。 仏教では本来はきとうは行わないが、密教の発達とともにいろいろの形で「祈り」がとり入れられています。 ただ浄土真宗には宗旨の建て前から行われていないようです。

 わが国では、古くは勅令によって祈願所を建て、国家安泰を祈願し、民間でも維摩会(ゆいまえ)などが持たれています。 天台・真言宗のきとう法会は、心に諸仏を観じ、手に印契(いんげい)を結び、護摩をたく修法の加持きとうが行われます。

 護摩は、梵語ホーマの音写で「智慧の火で迷いを焼くこと」で密教の修法の一つでもあります。 もとは、インドで火神アグニを供養して魔を除き福を求めるための火祭りを仏教にとり入れたものといわれています。

 密教では、不動明王や愛染明王などを本尊仏とし、その前に儀式の規則どおりに香炉のある護摩壇を置き、護摩木を焼き、火中に穀物などを投じて供養します。 護摩札は、この修法の祈願の趣旨を髪や板に書いたものです。 このようにしてきとうされた護符が出されるのです。

 禅門にも、祈雨・祈雪等の清規(しんぎ)もあり、坐禅がそのままきとうとして「雨乞接心(あまごいせっしん)」などつとめています。