宗派について

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真言宗
宗派 宗祖 本山
真言宗 空海(774-835) 高野山・金剛峯寺(現在高野山真言宗)ほか
 教え

 真言宗という宗は、『大日経」』、『金剛頂経』 などの密教経典に基づいて成立している宗です。

 空海はこれらの経典の思想に基づき、『三教指帰』 『十住心論』『弁顕密二教論』『即身成仏義』『声字 実相義』などを著わしています。

 空海によれば、この世界(宇宙)は物質的なものである地大・水大・火大・風大、空間である空大、精神的 なものである識大より成っているとしています。 ところがこの世界は、そのまま大日如来の世界であるともしています。 すなわち、宇宙=大日如来という考え方がみられます。 このことは、宇宙の一部である私たち人間も大日如来であるということになります。 当然のこととして、水の音、鳥の声など、ありとあらゆるものも大日如実の働き、命ということになります。 ところが、現実の私たちは迷っているために、 そのことを知りません。 このことを知らしめ、私たちも大日如来の命を生きていることを実感させる方法として、三密加持という行法が説かれています。

 三密とは大口如来の深淵な身業(身体的な働き)、口業(言語の働き)、意業(心の働き)のとです。一方、人間にも身・口・意の三業の働きがあります。 そして、人が手に印契(仏の悟りの内容を具体的な形にしたもの)を結び、口に真言(仏の真実の言葉)を唱え、心に大日如来のことを念うと、それにこたえて、大日如来が行者の心の中に現じ、かつまた行者が心の中に仏を感ずることができ、遂には大日如来と一味の境地に至ることができるとしています。 以上のような空海の考え方に基づいて、真言宗は成立しているわけですが、後に豊山派や智山派といった分派が多く成立するに至っています。