お釈迦様について

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何を説いたのか
お釈迦様の説法の基本は、四諦(したい)と呼ばれる4つの真理であり、三法印(さんぽういん)とか四法印と呼ばれる、3つとか4つの立場でした。
■四諦
  ・この世が苦であるとする苦諦(くたい)
  ・この世が苦であるのは原因があるからであるとする集諦(じったい)
  ・その苦の原因をなくそうとする滅諦(めつたい)
  ・そのための具体的な八つの方法である八正道を総称するものとしての道諦(どうたい)
 諦というのは、"あきらめる"と読みますが、普通わたしたちが用いている意味での"あきらめる"ではなくして、(真実を)見極めるといった意味なのです。
 この世はまことにさまざまな苦しみに満たされているということを、具体的に示したものが四苦八苦です。

四苦生(しょう)・老(ろう)・病(びょう)・死(し)
八苦四苦に、愛別離苦(あいべつりく)・怨憎会苦(おんぞうえく)・求不得苦(ぐふとっく)・五蘊盛苦(ごうんじょうく)の四苦を加えたものです。
 なぜこの世が苦であるかというと、それは人間に渇愛(かつあい)と呼ばれる根本的な欲望があるからで、それさえ滅することができれば、この世から苦しみはなくなるのです。
 その方法こそが、正見(しょうけん)・正思惟(しょうしゆい)・正語(しょうご)・正業(しょうごう)・正命(しょうみょう)・正精進(しょうしょうじん)・正念(しょうねん)・正定(しょうじょう)という8つの正しい道であることになります。

■三法印諸行無常(しょぎょうむじょう) 諸法無我(しょほうむが) 涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)
という3つの考え方で、それこそが、仏教という宗教の特徴となっているわけです。
■四法印三法印に、一切皆苦(かいく)を加えて、そのように呼ぶこともあります。

 この世のあらゆる存在と現象とが常に変化し続けていることが無常ということなのですが、それは、それぞれの存在や現象に、実体としての我(が)がないからなのです。このように無常であり無我であるのに、そのことに気がつかないで執着するものだから、一切が皆苦しみ、ということになります。
 したがって、そういった苦の原因となるべき無常・無我なる存在や現象を超越した時に、初めて人間は本当の静けさに到達できるのであって、これを涅槃寂静といっています。
以上は根本的な教えです。この他に、お釈迦様は無数といってもよい程の多くの教えを説いたのですが、次の2点だけは忘れてはならないでしょう。
一、それがいかなる教えであろうと、あくまでも仏教が目的とする仏陀の状態に到達するための手段である、ということです。
二、お釈迦様の教えは、応病与薬(おうびょうよやく)とか対機説法とか呼ばれているように、教えを説く相手の能力やそれぞれのケースに応じて最も適(ふさ)わしい教えを説いた、ということです。それはちょうど、医者が患者の病気に応じて違う薬を与えるのと同じような立場なのです。